受注~納品のリードタイムを約7割に短縮
カシオグループで、カシオ製品の製造、並びに金型・プラスチック成形や電子機器の受託製造等の外販事業を展開する山形カシオは、金型製造を大幅に自動化した金型生産自動化システム「ハイネットモールド」を開発・稼動しました。受注から納品までのリードタイムを従来比約7割に短縮でき、生産性を飛躍的に向上させます。この4月から本格稼働し、生産力の強化とあわせて金型外販の受注拡大を図ります。
山形カシオは、工作機械や成形機・測定器などのデジタルネットワークを構築し、過去15年にわたり、金型生産のデータを蓄積してきました。「ハイネットモールド」は、この大量のデータを解析して知識化し、金型の設計や加工用データを自動作成する独自の金型設計システムを開発。あわせて、工具の自動交換など、ネットワーク制御による製造工程の自動化も進め、受注から納品までのリードタイムを、従来比約7割に短縮しました。
<ハイネットモールドの主な特長>
■金型設計(CAD)
プラスチック部品の形状データと基本的な金型仕様を入力すると、金型を自動で設計します。金型を構成する金型部品のサイズや位置を決めるだけでなく、成形時の型のたわみやそれぞれの金型部品にかかる力をシミュレートし、負荷の高い部分を自動的に判断し、補強します。
■金型加工プログラム作成(CAM)
プラスチック部品の形状や表面の仕上げに応じて、金型部品の加工手段・条件・手順を自動的にプログラムします。切削加工、ワイヤーカット、放電加工などの加工手段の中から金型部品ごとに最適な手段を選択し、材料上のレイアウト、工具の配置や加工速度などの条件設定、さらに実際の加工手順も組み立てます。
■加工・製造
製造における各プロセスの自動化により、短時間で確実な加工を行います。設計データ、加工プログラムとネットワークで接続制御された製造装置とロボットの組み合わせにより、金型や工具を自動で交換しながら1日24時間稼働で作業を続行します。
■検証(測定)
出来上がった金型が設計どおりにできているか設計データと自動で照合します。工具が設定された通りの軌跡で動いたかチェックし、また、加工後の金型をそのまま加工機内で自動で測定し、設計データと照合します。合否判定も自動で行います。